[答492] 得点の期待値
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[答492] 得点の期待値
m,n を3桁の自然数とします。
1 から n までの自然数が1つずつ書かれた n 枚のカードのうち無作為に1枚取り出すとき、
取り出したカードに書かれた数が、ある自然数 m 以下ならその数がA君の得点になり、
m より大きければB君の得点になるものとします。
A君の得点の期待値とB君の得点の期待値が等しいとき、m,n の値は?
[解答1]
A君の得点の期待値は、
1(1/n)+2(1/n)+3(1/n)+……+m(1/n)=m(m+1)/(2n) 、
A君の得点とBの君の得点の和の期待値は、
1(1/n)+2(1/n)+3(1/n)+……+n(1/n)=n(n+1)/(2n) 、
よって、n(n+1)=2m(m+1) 、4n(n+1)+1=8m(m+1)+2-1 、(2n+1)2-2(2m+1)2=-1 です。
ここで、201≦2m+1≦1999,201≦2n+1≦1999 ですので、
「x2-2y2=±1」の0以上の整数解( https://okayadokary.blog.fc2.com/blog-entry-107.html )記事により、
2m+1=985,2n+1=1393 となって、m=492,n=696 です。
[解答2] uch*n*anさんのコメントより
n(n+1)=2m(m+1),までは[解答1]と同じ。ここで,
2n2+2n+1=4m2+4m+1,n2+(n+1)2=(2m+1)2
つまり,n,n+1,2m+1は,直角をはさむ2辺の差が 1 のピタゴラス数になります。
そこで,[答34]長方形と円#2( https://okayadokary.blog.fc2.com/blog-entry-102.html )の
ピタゴラス数生成方式 (a,b,c) ⇒ (a+2b+2c,2a+b+2c,2a+2b+3c) を使うと,
(2a+b+2c)-(a+2b+2c)=a-b,より,
新たに生成されるピタゴラス数は,元のピタゴラス数と,直角をはさむ2辺の差が変わらないので,
(3,4,5)から始めると,求める差が 1 の列が生成できます。
m,nは3桁の自然数なので,201~1999 が求めるもの,に注意して解を探すと,
(3,4,5) ⇒ (21,20,29) ⇒ (119,120,169) ⇒ (697,696,985) ⇒ (4059,4060,5741) ⇒ ……
そこで,n=696,2m+1=985,で,m=492,n=696,になります。
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