[答943] 5乗の下3桁がもとの数
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[答943] 5乗の下3桁がもとの数
3桁の自然数 n について、n2,n3,n4,n5 の順に計算します。
例えば、8072=651249,8073=525557943,8074=424125260001,8075=342269084820807 となり、
その下3桁は5乗してはじめてもとの数に一致します。
このような、下3桁が5乗してはじめてもとの数に一致する3桁の自然数は 807 を含めて何個?
また、その総和は?
[解答]
3桁の自然数で、k乗の下3桁がもとの数に一致するものの集合を Sk とすれば、
Sk={n|nは3桁の自然数 かつ nk-n は 1000の倍数} になります。
n3-n=n(n-1)(n+1)=(n2-n)(n+1) だから、
「n2-n が 1000の倍数」 ⇒ 「n3-n が 1000の倍数」 が成り立ち、S2⊂S3 です。
n5-n=n(n-1)(n+1)(n2+1)=(n3-n)(n2+1) だから、
「n3-n が 1000の倍数」 ⇒ 「n5-n が 1000の倍数」 が成り立ち、S3⊂S5 です。
n4-n=n(n-1)(n2+n+1)=(n2-n)(n2+n+1) であり、 n2+n+1 は奇数で5の倍数にならないから、
「n2-n が 1000の倍数」 と 「n4-n が 1000の倍数」 は同値となり、S2=S4 です。
まとめると、S4=S2⊂S3⊂S5 となって、
問題の条件を満たす3桁の自然数は S5 の要素で S3 の要素でないものです。
すなわち、次の(1)(2)の両方を満たす3桁の自然数を求めることになります。
「n(n-1)(n+1)(n2+1) が 1000の倍数」……(1)
「n(n-1)(n+1) が 1000の倍数でない」……(2)
n2+1 が 5の倍数でない奇数ならば、(1)(2)は矛盾します。
n2+1 が 5の倍数でない偶数ならば、(1)より n(n-1)(n+1) は 125の倍数ですが、
n は奇数なので n-1,n+1 の片方は4の倍数で他方も偶数だから、(n-1)(n+1) は 8の倍数、
n(n-1)(n+1) は 1000の倍数となり、(2)に反します。
よって、n2+1 は 5の倍数でなければなりません。
また、n2-1,n2,n2+1 は連続3整数で、
同時に 5の倍数にならないことと (1)より積が 125の倍数であることから、
n2+1 は 125の倍数でなければなりません。
まず、n2+1 が 5の倍数になるのは、整数 a を用いて n=5a±2 と表され、
n2+1=25a2+5(±4a+1) が 25の倍数となるのは、
±4a+1 が 5の倍数となるときで、整数 b を用いて a=5b±1 (複号同順) と表され、
n=5a±2=5(5b±1)±2=25b±7 、
n2+1=625b2+50(±7b+1) が 125の倍数となるのは、
±7b+1 が 5の倍数となるときで、整数 c を用いて b=5c±2 (複号同順) と表され、
n=25b±7=25(5c±2)±7=125c±57 です。
n が奇数のとき n(n-1)(n+1) は 8の倍数になり、
n が偶数のとき n4-1 は奇数だから (1)より n は 8の倍数である必要があり、
n は奇数か 8の倍数のときです。
n=193,307,432,443,557,568,693,807,943 の 9個で、総和は 4943 です。
☆ 3桁という条件をはずすと、k が奇数であれば、
(1000-n)k-(1000-n)≡(-n)k-(-n)≡-(nk-n) (mod 1000) だから、
n∈Sk と 1000-n∈Sk は同値です。
よって、n=5a+2 の場合を求め、このとき、n=125c+57 、
n=57,307,432,557,807 、 1000-n=943,693,568,443,193 とすれば複号で煩わされませんし、
そのうちの3桁の数の総和は 5000-57=4943 です。
☆ 下3桁が3乗してもとの数に一致する3桁の自然数は
125,249,251,375,376,499,501,624,625,749,751,875,999 で、
太字の数は2乗したとき下3桁がもとの数に一致します。
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