[答945] 約数の総和
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[答945] 約数の総和
自然数 n に対して、その正の約数の和を S(n)で表すことにします。
例えば、 S(12)=1+2+3+4+6+12=28 ですが、
12 のように S(n)>2n を満たす n を過剰数といいます。
では、奇数の過剰数で最小のものと2番目に小さいものは?
[解答]
T(n)=S(n)/n とおけば、T(n)>2 を満たす奇数 n を求めることになります。
まず、互いに素な A,B に対して、S(AB)=S(A)S(B) より T(AB)=T(A)T(B) になります。
p を素数として、S(pk)=(pk+1-1)/(p-1)<pk+1/(p-1) より、
T(pk)<p/(p-1)=1+1/(p-1) になります。
次に、T(pk)=(pk+pk-1+pk-2+……+1)/pk=1+p-1+p-2+……+p-k で、
k を固定し、T(pk) を p の関数と見れば 単調減少です。
T(pk+1)/T(pk)=(1+p-1+p-2+……+p-k+p-k-1)/(1+p-1+p-2+……+p-k)
=1+p-k-1/(1+p-1+p-2+……+p-k)=1+1/(pk+1+pk+pk-1+……+p) で、
k を固定し、T(pk+1)/T(pk) を p の関数と見れば 単調減少です。
たとえば、
T(3)=1+1/3=4/3,T(5)=1+1/5=6/5,T(7)=1+1/7=8/7,T(11)=1+1/11=12/11,
T(13)=1+1/13=14/13,
T(9)/T(3)=1+1/(9+3)=13/12,T(25)/T(5)=1+1/(25+5)=31/30,T(49)/T(7)=1+1/(49+7)=57/56,
T(27)/T(9)=1+1/(27+9+3)=40/39,T(125)/T(25)=1+1/(125+25+5)=156/155 です。
n を素因数分解して、素因数が1種類のとき、明らかに T(n)<2 です。
n を素因数分解して、素因数が2種類のとき、明らかに T(n)<(3/2)(5/3)=15/8<2 です。
よって、T(n)>2 を満たすのは、n を素因数分解して、素因数が3種類以上のときです。
n が素数3個の積のとき、
n=3・5・7 のときに n が最小で T(n) が最大ですが、
T(3・5・7)=(4/3)(6/5)(8/7)=64/35<2 となって 適しません。
n が素数4個の積のとき、
n=3・5・7・11 のときに T(n) が最大ですが、
T(3・5・7・11)=(64/35)(12/11)=768/385<2 となって、適しません。
n が素数5個の積のとき、
小さい方から2個の n は、n=33・5・7,32・52・7 ですが、
T(32・5・7)=T(3・5・7・3)=(64/35)(13/12)=208/105=2・(104/105) に注意すれば、
T(32・5・7・3)=2・(104/105)(40/39)>2 、
T(32・5・7・5)=2・(104/105)(31/30)>2 となって、いずれも適します。
小さいほうから2個は、33・5・7=945,32・52・7=1575 です。
☆ n=32・5・7・p (p は 103 以下の奇素数) についても T(n)>2 になります。
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