[答96] 四角形の面積の最大値
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[答96] 四角形の面積の最大値
4辺の長さが短いものから 5, 9, 13, 15 である四角形の面積の最大値は?
[解答]
面積が最大だから、凸四角形のみを対象にすれば十分です。
長さが 5,15 の辺が対辺になる場合と隣辺になる場合がありますが、
長さが 5,15 の辺が対辺になる場合でも、
5,9 を2辺とする三角形と 15,13 を2辺とする三角形とに分け、
15,13 を2辺とする三角形を固定し、5,9 の2辺を逆にしても、面積は変わりません。
つまり、長さが 5,15 の辺が隣辺である、等しい面積の四角形が存在します。
従って、面積に関しては、長さが 5,15 の辺が隣辺になる場合だけを考えればよいことになります。
5,15 を2辺とする三角形の面積が最大になるのは間の角が90゚の場合で、面積は 5・15/2=75/2 。
9,13 を2辺とする三角形の面積が最大になるのも間の角が90゚の場合で、面積は 9・13/2=117/2 。
また、52+152=92+132 だから、
2辺 5,15 の間の角も 9,13 の間の角も90゚になる四角形が存在します。
従ってその最大面積は、75/2+117/2=96 になります。
[参考]
どの辺が隣り(向かい)合うかが分からないので、4辺をa,b,c,dとし、
隣り合うa,bの間の角をα, c,dの間の角をβとします。
余弦定理より、a2+b2-2ab・cosα=c2+d2-2cd・cosβ、
-2ab・cosα+2cd・cosβ=-a2-b2+c2+d2、
4a2b2cos2α-8abcd・cosαcosβ+4c2d2cos2β=(-a2-b2+c2+d2)2 ……(1) 。
また、面積をSとすると、S=(1/2)ab・sinα+(1/2)cd・sinβ、2ab・sinα+2cd・sinβ=4S、
4a2b2sin2α+8abcd・sinαsinβ+4c2d2sin2β=16S2 ……(2) 。
(1)+(2) を計算して、
4a2b2-8abcd(cosαcosβ-sinαsinβ)+4c2d2=(-a2-b2+c2+d2)2+16S2、
4a2b2-8abcd・cos(α+β)+4c2d2=(-a2-b2+c2+d2)2+16S2、
16S2=4a2b2-8abcd・cos(α+β)+4c2d2-(-a2-b2+c2+d2)2
よって、cos(α+β)=-1 のとき、すなわち、α+β=180゚ のときにSは最大になります。
(これは、円に内接するときに面積が最大になることを表します)
このとき、
16S2=4a2b2+8abcd+4c2d2-(-a2-b2+c2+d2)2
=(2ab+2cd)2-(-a2-b2+c2+d2)2
=(2ab+2cd-a2-b2+c2+d2)(2ab+2cd+a2+b2-c2-d2)
={(c+d)2-(a-b)2}{(a+b)2-(c-d)2}
=(c+d-a+b)(c+d+a-b)(a+b-c+d)(a+b+c-d)
ここで、a+b+c+d=2s とおくと、16S2=(2s-2a)(2s-2b)(2s-2c)(2s-2d) だから、
S2=(s-a)(s-b)(s-c)(s-d)、S=√{(s-a)(s-b)(s-c)(s-d)} となります。
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