[答1013] 最小が奇数の確率
[答1013] 最小が奇数の確率
nを3以上の自然数とします。
1からnまでのカードが1枚ずつあって、この中から無作為に3枚を取り出すときの
3枚のカードの最小の数が奇数である確率が 既約分数 p/2020 であるとき、自然数の組 (n,p)=?
[解答]
取り出す3枚のカードの最小の数を 2k-1 とし、2k-1 と これより大きい2枚を取り出す方法は、
n-2k+1C3=(n-2k+1)(n-2k)/2=2k2-(2n+1)k+n(n+1)/2 です。
これを n=1,2,3,……,m として加えた和を S とすると、
S=m(m+1)(2m+1)/3-(2n+1)m(m+1)/2+n(n+1)m/2
=m{2(m+1)(2m+1)-3(2n+1)(m+1)+3n(n+1)}/6
=2m{2(2m+2)(2m+1)-3(2n+1)(2m+2)+6n(n+1)}/24 になります。
nが奇数のとき、n-2k+1 の最後の値は n-2m+1=2 なので、2m=n-1 になり、
S=2m{2(2m+2)(2m+1)-3(2n+1)(2m+2)+6n(n+1)}/24
=(n-1){2(n+1)n-3(2n+1)(n+1)+6n(n+1)}/24
=(n-1)(n+1){2n-3(2n+1)+6n}/24=(n-1)(n+1)(2n-3)/24 、
nが偶数のとき、n-2k+1 の最後の値は n-2m+1=3 なので、2m=n-2 になり、
S=2m{2(2m+2)(2m+1)-3(2n+1)(2m+2)+6n(n+1)}/24
=(n-2){2n(n-1)-3(2n+1)n+6n(n+1)}/24
=(n-2)n{2(n-1)-3(2n+1)+6(n+1)}/24=(n-2)n(2n+1)/24 、
確率は S/nC3=24S/{4n(n-1)(n-2)} ですので、
nが奇数のとき、(n-1)(n+1)(2n-3)/{4n(n-1)(n-2)}=(n+1)(2n-3)/{4n(n-2)} ですが、
n+1 は偶数,n(n-2) は奇数なので、約分すると分母は4の倍数になりません。
従って、既約分数 p/2020 になることはありません。
nが偶数のとき、(n-2)n(2n+1)/{4n(n-1)(n-2)}=(2n+1)/(4n-4) 、
ここで、GCD(2n+1,4n-4)=GCD(2n+1,-6) で 2n+1 は奇数なので、
(2n+1)/(4n-4) は既約であるか、分子・分母を3で約して既約になります。
よって、2n+1=p,4n-4=2020 または 2n+1=3p,4n-4=6060 、
前者の場合は (n,p)=(506,1013) 、後者の場合は (n,p)=(1516,1011) です。
[参考] たけちゃんさんの考え方より
2k-1,2k の数のカードを1つの組 (ただしnが奇数のときは n だけで1つの組) にすれば、
取り出す3枚が、同じ組の2枚のカードとそれより大きい1枚のカードである確率は、
nが奇数のときは {(n-2)+(n-4)+……+1}/nC3=(n-1)2/(4・nC3)=3(n-1)/{2n(n-2)} 、
nが偶数のときは {(n-2)+(n-4)+……+2}/nC3=n(n-2)/(4・nC3)=3/{2(n-1)}、
これ以外の場合は、最小が奇数である場合の数と 最小が偶数である場合の数は等しいので、
最小が奇数である確率をpとすれば、
nが奇数のときは p+p-3(n-1)/{2n(n-2)}=1 、p=(n+1)(2n-3)/{4n(n-2)} 、
nが偶数のときは p+p-3/{2(n-1)}=1 、p=(2n+1)/{4(n-1)} です。
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