[答321] 4人でジャンケン
'
[答321] 4人でジャンケン
4人でジャンケンをするとき、1人の勝者が決まるまでのジャンケンの回数の期待値は?
4人ともグー・チョキ・パーいずれも 1/3 の確率で出すものとします。
[解答]
n人でジャンケンをするときの1人の勝者が決まるまでのジャンケンの回数の期待値を En とします。
2人でジャンケンをするとき、勝負がつく確率は 2/3 で、あいこの確率は 1/3 だから、
E2=(2/3)・1+(1/3)(1+E2) 、(2/3)E2=1 、E2=3/2 です。
3人でジャンケンをするとき、
1人が勝つ確率は 1/3 、2人が残る確率は 1/3 、3人があいこの確率は 1/3 だから、
E3=(1/3)・1+(1/3)(1+E2)+(1/3)(1+E3) 、(2/3)E3=3/2 、
E3=9/4 です。
4人でジャンケンをするとき、
1人が勝つ確率は 4/27 、2人が残る確率は 6/27(=2/9) 、3人が残る確率は 4/27 、
4人があいこの確率は 13/27 だから、
E4=(4/27)・1+(6/27)(1+E2)+(4/27)(1+E3)+(13/27)(1+E4) 、
(14/27)E4=45/27 、E4=45/14 です。
[参考]
Σを k=1 ~ n-1 の和を表すものとします。
E1=0,E2=3/2,E3=9/4,E4=45/14 ですが、
n人でジャンケンをするとき、
1≦k≦n-1 として、k人が残る確率は nCk/3n-1 、
ΣnCk=2n-2 だから、
n人が残る確率は 1-(2n-2)/3n-1 になります。
En=Σ(nCk/3n-1)(1+Ek)+{1-(2n-2)/3n-1}(1+En)
=Σ(nCk/3n-1)+1-(2n-2)/3n-1+Σ(nCk/3n-1)Ek+{1-(2n-2)/3n-1}En
=1+Σ(nCk/3n-1)Ek+{1-(2n-2)/3n-1}En
よって、{(2n-2)/3n-1}En=1+Σ(nCk/3n-1)Ek
(2n-2)En=3n-1+ΣnCk・Ek
En=(3n-1+ΣnCk・Ek)/(2n-2)
このような漸化式で En が求められます。
☆ 以下、実際の計算を示します。
2人 3/2回(1.5回),3人 9/4回(2.25回),4人 45/14回(約3.21回),5人 157/35回(約4.49回),
6人 13497/2170回(約6.22回),7人 225161/26040回(約8.65回),8人 10007591/826770回(約12.10回),
9人 200190574/11712575回(約17.09回),10人 8327737507/342007190回(約24.35回),
11人 約34.98回,12人 約50.63回,13人 約73.74回,14人 約107.99回,15人 約158.87回,
16人 約234.57回,17人 約347.39回,18人 約515.73回,19人 約767.14回,
そして、20人のジャンケンでは、約1142.90回で1人の勝者が決まることになります。
.