[答323] 接線と放物線で囲まれる部分の面積
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[答323] 接線と放物線で囲まれる部分の面積
放物線 y=x2+4x+9 の原点を通る接線と、放物線 y=x2+4x+5 で囲まれる部分の面積は?
接線は2本考えられますが1本に着目して下さい。どちらを考えても同じ面積になります。
[公式]
放物線 y=ax2+bx+c が 直線 y=mx+n とが2点で交わっているとき、
2交点のx座標をα,β(α<β)とすれば、囲まれる部分の面積は、
a>0 のとき、∫αβ{(mx+n)-(ax2+bx+c)}dx
a<0 のとき、∫αβ{(ax2+bx+c)-(mx+n)}dx
であり、いずれも、
-|a|∫αβ(x-α)(x-β)dx=|a|∫αβ{(β-α)(x-α)-(x-α)2}dx
=|a|[(β-α)(x-α)2/2-(x-α)2/3]αβ=|a|(β-α)3/6 になります。
[解答1]
接線を y=mx とすれば、 y=x2+4x+9 と接するから、
x2+4x+9=mx が重解をもてばよい。
x2-(m-4)x+9=0 、判別式は (m-4)2-36=0 、m=10,-2 です。
m=10 のとき、接線は y=10x 、x2+4x+5=10x の解は x=1,5 だから、
面積は (5-1)3/6=32/3 です。
m=-2 のとき、接線は y=-2x 、x2+4x+5=-2x の解は x=-1,-5 だから、
面積は {(-1)-(-5)}3/6=32/3 です。
いずれにしても、面積は 32/3 になります。
[解答2]
接点を (p,p2+4p+9) とすれば、y'=2x+4 より、接線の傾きは 2p+4 、
接線は y-(p2+4p+9)=(2p+4)(x-p) すなわち y=(2p+4)x-p2+9 です。
これが原点(0,0) を通るから、0=-p2+9 、p=3,-3 です。
接線は y=10x ,y=-2x となって、以下[解答1]と同じです。
[解答3]
接線を y=mx+n ,接点のx座標を a とすれば、(x2+4x+9)-(mx+n)=(x-a)2 、
x2+4x+5=(x-a)2+mx+n-4 です。
x2+4x+5=mx+n を解けば、(x-a)2+mx+n-4=mx+n 、x=a±2 です。
求める面積は、
∫a-2a+2{(mx+n)-(x2+4x+5)}dx=∫a-2a+2{4-(x-a)2}dx
=4[x]a-2a+2-(1/3)[(x-a)3]a-2a+2=4・4-(1/3)・16=32/3 です。
☆ この解答で「接線が原点を通る」という条件は不要だというのが分かります。
[参考]
一般に、a>0,k>0 として、
y=ax2+bx+c の接線と y=ax2+bx+c-k で囲まれる部分の面積を求めます。
接線を y=mx+n ,接点の x 座標を p とすれば、
ax2+bx+c=mx+n が重解 x=p を持つから、ax2+bx+c-mx-n=a(x-p)2 、
ax2+bx+c-k=mx+n を解くと、
ax2+bx+c-mx-n=k 、a(x-p)2=k 、x=p±√(k/a) となって、
2交点の x 座標の差は {p+√(k/a)}-{p-√(k/a)}=2√(k/a) になります。
従って、囲まれる部分の面積は、a{2√(k/a)}3/6=4k{√(k/a)}/3 になります。
本問の場合は a=1,k=4 の場合で、面積は 32/3 になります。
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